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鳥取産業保健推進連絡事務所 代表 川﨑 寛中

3月になっても全国的にインフルエンザは引き続き流行していますが、鳥取県でも県全域にインフルエンザ注意報が発令中です。さらに2月末頃から工場の煙や自動車の排気ガスなどから発生する微小粒子状物質(PM2.5)による大気汚染が深刻になってきました。鳥取県でも大気中のPM2.5が基準を超えるとPM2.5の注意報が出されています。一方ではスギ・ヒノキ花粉などによるアレルギー症状を呈する花粉症の人にとっては厄介な季節になりました。インフルエンザ、PM2.5大気汚染、花粉症の三重苦対策としてマスクが必須になりつつあります。マスクは顔とマスクの間にすき間のない密着する少し大きめのマスクがお勧めです。PM2.5や黄砂の濃度が上昇した日はマスク着用のほかに、できるだけ不要不急の外出を控えることや、心肺疾患を有する労働者は屋外での仕事に配慮する必要があります。

花粉症をはじめとするアレルギー疾患にみられるアレルギー症状は労働生産性に負の影響を及ぼすことが指摘されていますので、花粉症の人はセルフケアのほかに、早めにアレルギー専門医を受診して医師のアドバイスを受けてください。花粉症の適切な治療はアレルギー症状を改善させるだけでなく、患者(労働者)のパフォーマンスまで改善させて、労働能力を高めることに留意すべきです。

3月は自殺対策強化月間です。警察庁のまとめによると、平成25年の自殺者数は27,195人で、対前年比633人(約2.3%)減で、前年に引き続き3万人を下回っています。平成25年の交通事故死亡数4,373人(前年比38人減)に比較して、圧倒的に自殺者数が多いことがわかります。産業保健従事者をはじめ労働者ひとり一人が社会の中でゲートキーパーになって、「誰も自殺に追い込まれることのない社会」を目指す必要があります。

昔から木の芽時には身体や精神の変調を起こしやすいと言われますので、健康には十分気をつけながら、平成25年度の最後の月によい実績を残して新しい年度に移ってください。