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鳥取産業保健総合支援センター 所長 川﨑 寛中 

暦の上では5月5日の立夏から夏の始まりで、「夏立つ」「夏来る」といわれますが、5月は若葉が美しく輝き一年中で最もすがすがしい季節ですから、ゴールデンウィークは新緑を求めて屋外で楽しんだり、旅行で気分転換を図るのには絶好の時期です。

 ゴールデンウィークとの絡みで世界の祝祭日を調べますと、日本の年間15日は先進国の中では比較的多いほうで、一方、平成26年の祝日、振り替え休日、土日を含めた休日は123日になっています。一般に日本人は休日の過ごし方が下手な国民といわれ、休日の過ごし方のアンケート調査ではテレビ、DVD/ビデオ、ゴロ寝、美味しい物を食べに行く、家の片付け、掃除、洗濯などが上位を占めています。日本大学医学部兼板佳孝先生の「日本人のストレス対処行動および余暇の過ごし方についての疫学研究」によると、男性では余暇の過ごし方として「自宅でのんびりする」と「友人・知人と過ごす」、女性では、「友人・知人と過ごす」、「運動する・スポーツジム・フィットネスクラブに行く」、「買い物にでかける」などがストレス軽減の観点から好ましい結果が出ています。今年のゴールデンウィークは自分の懐が暖かいか寒いかのことも考えながら、よい休日を過ごしてリフレッシュし、自分自身をよりよいものに変えてください。

 余暇をテレビやDVD/ビデオで過ごして運動不足の上に過食が加わると、各事業場で4月から始まった健康診断や人間ドックで異常所見が見つかり、肥満に関連する高血圧、脂質異常症、耐糖能異常、高尿酸血症、脂肪肝などのリスクを指摘されます。さらに最近の研究では、肥満は、うつのリスクを増し、同時にうつも肥満を進展させるといわれますので、日常生活においては体を動かすアクティブレスト(積極的休養)と栄養バランスのとれた腹八分目を心掛けて健康づくりに励んでください。

 ゴールデンウィークを楽しんだ後に、5月の第2日曜日の11日は母の日。日頃の母の苦労をいたわり、母の恩に感謝しましょう。