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鳥取産業保健総合支援センター 所長 川﨑 寛中 

今月の7日の立冬を過ぎると、木の葉が風に舞い、日に日に秋との別れを惜しむ悲しさが増してきます。週末や祝日の穏やかな小春日和には、気軽な服装で残る紅葉を愛でながら、ウオーキングや森林浴で心身のリフレッシュに努めてください。

今年の7月に発表されたわが国の平均寿命(2013年時点)は、女性は86.61歳、男性は80.21歳で、いずれも前年から伸び、女性は80代後半を延伸し、男性は初めて80代の大台に乗りました。10月1日に発表された、年を取っても日常生活を自立して元気に過ごせる期間を示す健康寿命は、2013年は女性74.21歳、男性71.19歳で、前回2010年時点よりも女性が0.5歳以上、男性が0.7歳以上伸びていますので、平均寿命と健康寿命との差は女性約12.4歳、男性約9.0歳となっています。今後わが国では、健康寿命をいかに延伸して満足感の得られる生活が出来るかが最も重要になります。

健康寿命を延ばすためには、がんや脳卒中、心筋梗塞、動脈硬化、高血圧、高脂血症、糖尿病などの生活習慣病の予防が大切で、働く人は現役時代から特定健康診断・特定健康指導を受診することが大切です。

近年、寝たきりや認知症にならず健康寿命を伸ばすためには、日常の食事と運動が特に重視されています。京都大学名誉教授の家森幸男先生によると、和食の栄養源から塩分を減らして楽しめば、生活習慣病は予防でき、健康寿命の延伸につなげると言われます。一方、年齢相応に体の機能は低下しますので、関節や筋肉などの運動器の衰えを予防するために、現役時代から自分に合った適切な運動を継続して行うことが大事です。健康は自分で創るもの守るものと心掛け、将来にむけて平均寿命と健康寿命の差を縮め、生活の質の低下を防ぐことが求められています。

晩秋の楽しみは11月3日の文化の日をはさんで、10月27日から11月9日までの二週間の読書週間です。この期間はスマホの使用を控えめにして、読むことの楽しさを感じつつ読書三昧の知的な生活を送ってください。