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鳥取産業保健総合支援センター 所長 川﨑 寛中

全国的にインフルエンザの流行はピークを過ぎましたが、引き続きインフルエンザ対策を怠らないようにしてください。インフルエンザが下火になり、終息する頃から花粉症の時期に入ります。日本では直近10年間でスギ・ヒノキ花粉量が大幅に増加しており、特に前年7月~8月の平均最高温度が高いほど飛散量が多いと言われます。昨年7月の猛暑から推測すると、今年は花粉症が多発する可能性がありますので、毎年花粉症に悩まされる人は早めの対応で症状軽減と仕事の上での思考力や集中力維持に努めてください。

3月は自殺対策強化月間です。近年、全国的に自殺者数は減少傾向にありますが、一方では働き盛りの20、30、40歳代の死因で自殺者数が多いことが課題になっています。鳥取県の自殺者(自死)数はやや低下傾向にありますが、自死率は全国より高い値で推移している現状です。

昨年の労働安全衛生法改正で、労働者の心理的な負担の程度を把握するための医師、保健師等による検査(ストレスチェック)の実施が今年の12月1日から事業場に義務付けられます。ただし、従業員50人未満の事業場については当分の間努力義務となっています。(公財)日本生産性本部・メンタル・ヘルス研究所は昨年、「メンタルヘルスの取り組み」に関する上場企業250社の調査を取りまとめた結果、最近3年間の「心の病」の増減では、「増加傾向」と回答した企業は29.2%、「横ばい」は58.0%、「減少傾向」は9.2%で、「心の病」は依然として高止まり傾向にあります。「心の病」を年代別にみると、30代、40代が3割を上回っているのが大きな課題になっています。

当総合支援センターの黒沢洋一相談員の平成25年度産業保健調査研究報告書による「鳥取県のメンタルヘルスの取り組み状況~平成19年度調査との比較~」においても、過去一年間でメンタルヘルスに関連して不調を訴える事例があった事業場は全体の46%に上りますので、産業保健従事者は引き続き多角的なメンタルヘルス対策を講じてください。
3月の声を聞くと、桃の節句(3日)、啓蟄(6日)、彼岸入り(18日)、春分(21日)と続き、下旬にはいよいよ桜の開花を待つ時期となります。事業場では今月は平成26年度最後の月になりますので、年度内の目標を確実に達成して新しい年度に移りたいものです。