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所長のメッセージ

所長のメッセージ  : 平成30年6月によせて

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鳥取産業保健総合支援センター 所長  能勢 隆之

 

本年度 新入社員の皆様も2カ月が経過し5月病を克服して少しづつ会社や社会の生活に慣れて来られたと思います。多くの新採用の労働者は、いわゆる健全な身体と精神状態で仕事に従事していると思います。
事業者は労働安全衛生法第66条などに基づき、使用している労働者について医師による健康診断を実施することになっています。そして、労働者は事業主が行う健康診断を受けなければなりませんし、必要な場合には医師などによる保健指導を受けることになっています。
健康診断には、一般健康診断と有機溶剤や特定化学物質を取り扱う作業者などが受診する特殊健康診断など各種の義務付けられている健康診断があります。
これらの中に、新規採用労働者が受ける「雇入れ時健康診断(労働安全衛生規則第43条)」があります。6月の時期では、もう健診が実施されているところがあると思います。

この雇入れ時の健康診断の主な意味の一つは、これから従事する作業によっては健康に影響を及ぼすもの、あるいは人によっては従事することが不適切な作業があったり、継続して従事することが困難なものがあるかもしれませんので、従事開始前に健康状態を確認しておく必要があるからです。そして、今後異常が発生した場合には、今の作業に従する前と従事後の現在の状態を比較し、従事している作業の健康影響や必要があれば配置転換や作業改善に活用することを目指しています。
雇入れ時の健康診断項目には以下のものがあります。

1.既往歴及び業務歴 (現在従事している作業と異なる前職の作業内容など)の調査
2.自覚症状及び他覚症状 (心肺雑音、腱反射、腹部触診等)の有無の調査
3.身長、体重、腹囲 (メタボリックシンドロームの有無)、視力、聴力(低音、高音)の調査
4.胸部エツクス線検査 (結核、肺がんなど)
5.血圧の測定 (高血圧、低血圧)
6.貧血検査 (赤血球数及び血色素量)
7.肝機能検査 (GOT.GPT.γGTP)
8.血清脂質検査 (LDLコレステロール、HDLコレステロール、血清トリグリセライド)
9.血糖検査
10.尿検査 (尿中の糖及び蛋白の有無の検査)
11.心電図検査

なお、今後、毎年行われる定期健康診断においては自覚症状や他覚症状および既往歴などを勘案して医師が総合的に判断し、省略基準にのっとって健診項目を省略できることになっています。

基本的にはこの法に基づく健康診断は、事業に起因する健康問題の参考にしたり、産業保健を実施する上で重要な手段で資料となるものです。
今日では、労働者は生活習慣病にも気を付けなければなりませんので、この検査項目による健診は自分自身の健康生活にも大変大切なものであることを認識し、必ず受診して、その結果について適切に対応されることを進めます。