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所長のメッセージ

所長のメッセージ  : 令和4年2月によせて 

投稿日時:

鳥取産業保健総合支援センター 所長  能勢 隆之

 

働き方改革が2019年4月1日に施行され、各事業場はその主旨に合わせて改革を進めてきましたが、最近では、新型コロナウイルス感染症の拡大を防止するためやデジタル技術の普及によってテレワークなど新しい労働形態が導入されるようになりました。これまでは、日中に会社に出社し、1日8時間労働をすることを基本とし、必要に応じて夜勤労働、深夜労働などを行ったり、変形労働時間制や裁量労働制などを採用しながら働いた労働時間に応じた労務管理を行ってきました。

働き方改革では、労働者の健康を保持・増進するため、オーバーワークとならないよう8時間以上働く労働者の労働時間に上限規制を導入し、原則として月45時間、年360時間までの時間超過を限度としました。先の「1月によせて」において、睡眠時間は少なくとも1日6時間以上とることが必要であると述べましたが、労働者の健康な生活を維持するためには、睡眠のみでなく勤務時間インターバルも十分にとることが必要であり、時間外労働の上限規制はこの勤務時間インターバルを確保するためにも必要なものです。海外では社会主義市場経済体制をとる国もあり、働き方も多様化すると思いますが、日本は今日まで資本主義経済体制をとっており、過去には頑張って働く(長時間人よりも多く労働する)ことが美徳とされ、収入を多く得た者が勝者となり、その結果経済格差がうまれてきました。

また働き方改革の重点として、休まず働くのではなく有給休暇を確実にとり、休養することを進めています。今まで有給休暇を取得してこなかった労働者にも最低5日は強制的に取得させるよう事業主に求め、労働者がリフレッシュできることを期待しています。また改革では、非正規雇用労働者(低賃金労働者)の割合が増加しているので正規労働者と不合理な待遇格差がおこることを防止し、労働条件を良好に維持することも目指しています。

最近のデジタル化の発展は業務の効率化やコスト削減を推進し、会社においては、出勤することなく自宅などでのリモートワークが採用されるようになり、労務管理が困難になってきています。働き方改革は従来の労働形態を基本に策定したものであるので、デジタル化には充分な対応となっていない部分があります。再度、現状に合った労務管理のあり方を検討することが必要になっていると考えます。