投稿日時:

鳥取産業保健総合支援センター 所長 川﨑 寛中

あけましておめでとうございます。
まず初めに今年も、皆様におかれましては健康で素晴らしい一年でありますようお祈り申し上げます。今年の干支は未(羊)年ですから、羊のように穏健正直でありながら、前向きに仕事を進めつつ未完成の自分を一歩でも成長させてください。

鳥取産業保健総合支援センターは昨年4月より、事業場における産業保健活動の支援、メンタルヘルス対策の普及と促進、及び地域産業保健センター業務を遂行して労働者の健康管理に努めています。今年も、私ども職員は働く人の健康管理に携わる産業保健従事者とともに、鳥取県医師会、労働局、関係諸団体のご協力ご支援を賜りながら、産業保健の推進に尽力してまいります。

正月「三が日」の新聞、テレビ等の論調を拝見しますと、国民の最大の関心事は景気回復と地方創生にあるようです。アベノミクス効果が地方まで波及して、鳥取でも一段と雇用が拡大する政策と、労働者がイキイキ職場で元気に働いて地域衰退を防ぐ施策が待たれます。
近年、わが国の労働市場は改善されつつあり、一方では15歳以上の労働力人口の低下と相まって、事業場では定年後も働ける継続雇用制度が広く普及しています。事業場においては労働者の健康確保が健全経営につながることが認識されてきました。古来「医食同源」と言われ、食物が体内に入り、人のさまざまな機能に影響を及ぼす食生活のあり方が生活習慣を形成しています。がんや脳卒中、心筋梗塞、動脈硬化、高血圧、肥満、高脂血症、糖尿病などの生活習慣病は食事要因によってその発症が大きく左右されますので、食事を通じて生活習慣を是正しながら、いい仕事で成果を出してください。

大寒の1月20日頃が一年で最も寒い季節ですが、このような時期にはお風呂が一番で、ゆっくり入浴すると疲労回復と心身のリフレッシュのほか、安眠や小じわ予防に効果があります。

 


投稿日時:

鳥取産業保健総合支援センター 所長 川﨑 寛中

 

今年も慌ただしい師走に入りました。12月は歳末助け合い運動でスタートしますが、今年は12月2日公示―14日投開票の衆議院選挙が重なり、例年よりもざわついた年の瀬になりそうです。

鳥取労働局では、死亡災害が多発する年末に集中的な取り組みとするために、今年度から一カ月前倒し、11月7日から年末までの55日間にわたって、第26回目の『「ゼロ災55」無災害運動』を展開中です。わが国における労働災害は、平成22年から3年連続で増加し、平成25年に減少したものの、今年度に入り死亡者・死傷者数ともに、多くの職種で前年と比較して増加傾向を示しています。産業保健従事者は経営トップと連携して、この期間中に職場安全衛生パトロールを実施してください。詳細は当総合支援センター及び鳥取労働局のホームページをご覧ください。

10月30日(木)、31日(金)に、ソリッドスクエアホール(所在地:神奈川県川崎市幸区堀川町580番地ソリッドスクエア地下1階)で、平成26年度(第19回)産業保健調査研究発表会が開催されました。当総合支援センターからは、相談員の黒沢洋一主任研究者が川﨑寛中、岩本桂子、細田武伸各研究者との共同研究のもとに、「鳥取県のメンタルヘルスの取り組み状況~平成19年度調査との比較~」について発表し、その中で今後事業場におけるメンタルヘルス対策は一層重要になることを報告しました。詳しくは当総合支援センターホームページの調査研究報告書をご覧ください。

12月は楽しい忘年会で美味しいお酒を飲む機会も多いですので、節度ある適量の飲酒を心掛けて、ゆったりした気分で副食物を食べながら楽しく飲んでください。「酒は百楽の長」と言われる適量は、日本酒(15度)1合(180ml)、ビール(5度)中ビール1本(500ml)、焼酎(35度)70ml、ワイン(12度)グラス2杯(200ml)、ウイスキー(43度)シングル2杯(60ml)です。最近の研究によると、アルコールに対する感受性には性差があり、女性はより少量もしくは短期間の飲酒によって肝障害が生じ、また、高度の病態に進展しやすいことが明らかにされていますので、女性の適量は男性よりも少な目がよいでしょう。


投稿日時:

鳥取産業保健総合支援センター 所長 川﨑 寛中 

今月の7日の立冬を過ぎると、木の葉が風に舞い、日に日に秋との別れを惜しむ悲しさが増してきます。週末や祝日の穏やかな小春日和には、気軽な服装で残る紅葉を愛でながら、ウオーキングや森林浴で心身のリフレッシュに努めてください。

今年の7月に発表されたわが国の平均寿命(2013年時点)は、女性は86.61歳、男性は80.21歳で、いずれも前年から伸び、女性は80代後半を延伸し、男性は初めて80代の大台に乗りました。10月1日に発表された、年を取っても日常生活を自立して元気に過ごせる期間を示す健康寿命は、2013年は女性74.21歳、男性71.19歳で、前回2010年時点よりも女性が0.5歳以上、男性が0.7歳以上伸びていますので、平均寿命と健康寿命との差は女性約12.4歳、男性約9.0歳となっています。今後わが国では、健康寿命をいかに延伸して満足感の得られる生活が出来るかが最も重要になります。

健康寿命を延ばすためには、がんや脳卒中、心筋梗塞、動脈硬化、高血圧、高脂血症、糖尿病などの生活習慣病の予防が大切で、働く人は現役時代から特定健康診断・特定健康指導を受診することが大切です。

近年、寝たきりや認知症にならず健康寿命を伸ばすためには、日常の食事と運動が特に重視されています。京都大学名誉教授の家森幸男先生によると、和食の栄養源から塩分を減らして楽しめば、生活習慣病は予防でき、健康寿命の延伸につなげると言われます。一方、年齢相応に体の機能は低下しますので、関節や筋肉などの運動器の衰えを予防するために、現役時代から自分に合った適切な運動を継続して行うことが大事です。健康は自分で創るもの守るものと心掛け、将来にむけて平均寿命と健康寿命の差を縮め、生活の質の低下を防ぐことが求められています。

晩秋の楽しみは11月3日の文化の日をはさんで、10月27日から11月9日までの二週間の読書週間です。この期間はスマホの使用を控えめにして、読むことの楽しさを感じつつ読書三昧の知的な生活を送ってください。


投稿日時:

鳥取産業保健総合支援センター 所長 川﨑 寛中

秋を表現する言葉としてスポーツの秋、食欲の秋、芸術の秋、読書の秋などが思い浮かびますが、自己充実の秋はいかがでしょうか。空気がさわやかで過ごしやすい季節ですから、昼間は業務の能率アップに努めるとともに、仕事から解放されたら体を動かし軽く汗を流して体力増強に努め、さらに秋の夜長を読書三昧で過ごし、良いコンディションで平成26年度第3・四半期のスタートを切ってください。

10月1日から7日まで平成26年度全国労働衛生週間が実施されます。本年度は「みんなで進める職場の改善 心とからだの健康管理」をスローガンとして、国民の労働衛生に関する意識を高めるとともに、職場での自主的な活動を促して労働者の健康管理を確保することになっています。全国労働衛生週間中に事業者叉は総括安全衛生管理者は職場巡視を実施し、併せて産業保健従事者は日常の労働衛生活動の総点検を行ってください。

わが国では一般定期健康診断の結果、何らかの所見を有する労働者の割合が平成25年は53.0%(平成24年は52.7%)と漸増して、職場での健康リスクは依然として高い状態にあります。厚生労働省が本年2月に実施した「健康意識に関する調査」結果によると、企業・団体等が社員の健康づくりに取り組んでいるのは4割弱であり、一方、取り組んでないのは5割以上を占めています。産業保健従事者は産業医と緊密な連携をとりながら、労働者の健康管理に努めてください。
食欲の秋にいただくふっくらと炊き上った新米はそれだけで美味しいので、食べ過ぎて「天高くお腹肥ゆる秋」にならないように、主食、主菜、副菜をバランス良く食べて、一方では仕事や運動でエネルギーを発散してください。

10月1日から赤い羽根共同募金運動が始まります。10月13日(月)は体育の日、赤い羽根をつけて、さわやかな秋風に揺れる芒(薄、すすき)の美しさともの寂しさを愛でながら、ウォ−キングやランニング、サイクリングなどで体力増強に努めてください。


投稿日時:

鳥取産業保健総合支援センター 所長 川﨑 寛中

熱闘甲子園の第96回全国高等学校野球選手権大会は大阪桐蔭高校の優勝で閉幕し、今年の夏は終った感じです。8月は全国的に天候不順が続き、8月20日未明に広島市北部で起きた広島土砂災害では多くの死者・行方不明者が出て、連日警察と消防、自衛隊による大規模な捜査が続いています。今回のような短時間の大量降雨があれば、全国何所でも土石流は起きうると言われますので、自然災害の恐ろしさを再確認すると共に、自治体等による災害に対する住民の危機意識の高揚と災害に強い町作り対策、併せて私たち1人ひとりが普段から災害に対する自助努力を積み重ねる必要があります。

毎年9月1日は防災の日で、防災の日を中心とした8月30日(土)から9月5日(金)までが防災週間として、全国で防災訓練などの国民活動が行われますが、今年は直近の広島土砂災害を受けて例年以上に国民の関心が集まるものと思います。産業保健従事者は職場や家庭において常に防災意識を持ち続けることが大切で、この機会を利用して災害時に適切な行動がとれるように、職場や家庭において実行可能なマニュアルを再確認してください。

9月は「がん征圧月間」です。現在、日本人の2人に1人ががんになり、3人に1人、年間30万人を超える人ががんで亡くなっています。がんの罹患を未然に防ぐがん予防は第1次予防と称されていますが、近年の研究によると、がんは生活習慣との関連が高いと言われています。現状において科学的根拠に基づくがん予防法として、受動喫煙を含めてたばこはがん全体のリスクを確実に上げること、食事はバランス良くとること、食塩の摂取は最小限にすること、運動を含めて日常生活を活動的に過ごすことなどが特に重視されています。

8月末から鳥取県特産・20世紀梨が出荷されています。今年の梨は大玉で甘い仕上りと報じられていますので、シャキシャキした梨の食感を楽しんで夏の疲れをとってください。野菜や果物を十分に摂ることはがん予防にも通じますので、鳥取産の梨を食べて地産地消に協力しつつ、がん予防につなげてください。